皇室典範改正が成立 皇族数確保へ制度改革が始動

2026年07月17日 12:12

国会議事堂13

国会議事堂。参議院本会議で皇室典範等改正法が可決・成立し、女性皇族の婚姻後の身分維持や養子制度の創設など、皇族数確保に向けた制度改正が実施段階に入ります。

今回のニュースのポイント

参議院本会議は17日、皇族数の確保を目的とした改正皇室典範を賛成多数で可決、成立させました。改正法では、女性皇族が結婚後も皇族の身分を維持できる制度や、旧皇族の男系男子を対象とする養子制度が創設されます。一方、審議では養子制度の詳細や皇位継承との関係を巡って与野党の意見が分かれ、制度設計を巡る課題も残されました。

本文
 参議院本会議において17日、政府が提出した「皇室典範等の一部を改正する法律案」の採決が行われ、可決、成立しました。現在の皇室が直面している最大の構造的課題である皇族数の減少や、公務の担い手の確保に対応するため、政府が国会に提出していた法案が正式に法律として成立したことになります。減少する皇族数を確保するための実務的な制度改正に向けた法的な枠組みが、これにより確定しました。

 今回の制度改正の二本柱は、女性皇族の婚姻後の身分維持と、これまで一律に禁止されていた皇族の養子縁組の限定的な解禁にあります。具体的には、内親王や女王が婚姻後も自動的には皇籍離脱しない仕組みを導入するとともに、旧皇族の男系男子を対象とする「養子皇族男子制度」を新たに創設する内容です。これらの具体的な条文規定や法理設計、同時に行われる皇室経済法や住民基本台帳法の改正をはじめとする一体的なインフラ整備の全体像については既報の通りですが、今回の法成立によって、これらの制度改正が実施に向けて動き出すことになります。

 法律が成立したことを受け、今後の焦点は新設された制度がどのように実際に適用されるかという運用の段階へと移っています。具体的には、実際の養子制度の実施や婚姻後の女性皇族の活動を支える環境整備にあたって、皇室会議の議をどのように経ていくかという実務的な運用のあり方が重要な注目点となります。法律の付則に盛り込まれた30年ごとの見直し規定も含め、今後の具体的な運用状況や皇室会議の判断が注目されます。

 今回の法案成立にいたる国会審議では、与野党間で制度のあり方を巡る賛否が分かれました。採決では与党のほか公明党や国民民主党などの賛成多数で可決された一方、立憲民主党、共産党、れいわ新選組は反対しました。与党や賛成各党が皇族数確保に向けた現実的かつ実務的な措置として法案を支持したのに対し、立憲民主党などの野党側は旧宮家の男系男子を養子として迎える規定などを巡り、全体会議での議論が不十分で「立法府の総意になっていない」と主張しており、合意形成のプロセスを巡る論点が残される形となりました。

 今回の改正を巡り、正確な理解の上で位置付けられるのは、今回の改正が皇位継承制度そのものを直接変更するものではないという点です。現行の皇室典範が定める「男系男子による皇位継承」という根幹の原則や継承順位、資格そのものは今回の改正でも一切変更されていません。今回の見直しはあくまで周辺の活動基盤を補強することによって皇族数を維持し、公務の担い手を確保するための実務的な制度改正として位置付けられています。

 法律の可決・成立によって、皇族数確保に向けた制度改正の枠組み自体は決着を見ました。一方、皇族数が実際にどれだけ確保されるか、また公務の負担軽減と伝統の維持がどのように両立していくかは、今後の具体的な制度運用や皇室会議の判断に委ねられる部分も多く、制度の実効性が今後の焦点となる見通しです。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)