デマ情報に怒り 刑事事件として法的措置検討

2011年07月13日 11:00

 枝野幸男官房長官は12日夕の記者会見で、ネット上で自身の妻子が震災後に海外に出た、原発事故に伴い避難させようとしたという情報が実(まこと)しやかに流されているとして「自身の名誉のためではなく、政府広報のひとつの窓口を担当している者として、会見であんな事を言ってるけど、自分の家族を逃したのかと思われると、政府としての発信事態に影響すると判断した」として、そうした事実が一切ないと完全否定するとともに、刑事事件として法的措置を検討しているとした。

 枝野官房長官は会見の中で「妻も、こども2人も震災以来、国会そばの議員宿舎、(さいたま市)大宮の自宅におり、海外などに出たということは全くない。ましてや(原子力発電事故に絡んで)どこかに逃がそうとした、という事は全くない」と説明。

 「ネット上をこうしたデマ情報が相当広範囲に広がっていることは知っていた。あまりにも悪質なものがネット上を流通し、少なからず、信じておられる人もいるということで、事実を明らかにすることとした」と震災後の妻子の所在について語った。

 ネットでは「シンガポールに妻子を避難させた」「家族はたまたまシンガポールと党内会議で認める」「海外で病気になって明るみに」などかなりリアルに情報が流れており、こうした事案はネット情報の信頼性を崩壊させかねない問題を孕んでいる。

 枝野官房長官は「法的措置は検討している。民事ではありません。やるなら刑事と思っている」とデマを実しやかに流す行為に対して、官房長官としての立場から危惧するとともに、怒りを隠さなかった。
(編集担当:福角忠夫)