オリックス、韓国で新たな価値のある金融サービス事業を拡大

2011年07月01日 11:00

 オリックスは、韓国の未来アセット生命保険(以下「未来アセット生命」)に出資するために、韓国で日系最大規模となる総額約3,000億ウォン(約222億円)の私募投資ファンドを設立する。

 これはオリックスの韓国現地法人で投資運用事業を手がけるORIX Private Equity Korea Corporationが、韓国の投資会社であるLTI Investmentsと共同で新たに設立する投資ファンドを通じて、未来アセット生命が新規に発行する優先株式21,126,760株を引き受けるというもの。本ファンドには、韓国の代表的な機関投資家である国民年金公団や私学年金公団など合計9社が投資家として参加する予定だという。オリックスは、ファンド運営でのフィービジネスの拡大を図るとともに、投資家としても参画する。

 未来アセット生命は、1988年に設立された韓国中堅の生命保険会社。2005年に韓国を代表する証券、株式などの資産運用を主業とする未来アセットグループの傘下入りして以降、グループの資産運用力をもとに変額・年金保険分野に注力してきた。現在では、総資産ベースで韓国生命保険業界(23社)において第5位の規模を誇り、2011年3月期は2期連続で増収増益を達成するなど業績を伸長させているが、今後のさらなる業容拡大や信用力の強化を目的に、本件の増資で財務基盤の強化を図るという。

 韓国の生命保険市場は年々拡大し、過去5年間の年平均成長率は12%を超えている。一方で、国民一人当たりの年間保険料は1,656米ドルと世界第18位であり、アジア諸国と比較しても、台湾(2,166米ドル)、シンガポール(2,245米ドル)、日本(2,584米ドル)に対し低い水準であるといわれており、さらなる成長が期待できるマーケットであると考えられる。

 オリックスは、韓国でリース、測定機器・情報機器などのレンタル事業を展開するとともに、韓国大手の大韓生命保険や鉄鋼メーカーへの投資実績や、2010年のPUREUN2貯蓄銀行(現オリックス貯蓄銀行)の買収など、韓国でも多角的な金融サービス事業を実施している。今後も大きな成長が期待できるアジア市場において、国内外で培った専門性を生かし新たな価値のある金融サービス事業を拡大していく。