食の安心・安全確保は各社の徹底したチェック体制がカギ

2011年06月20日 11:00

 ここ数年、消費者の食への関心は年々高まり、食品・飲料関連企業に対するユーザーの目はより一層厳しくなっている。それに伴い、これまで以上に食の安心・安全に関するチェック体制をマニュアルだけでなく独自で構築し、徹底的に取り組む姿勢を見せる企業が増えているようだ。

 例えば、サークルKサンクスは、食品添加物やアレルギー物質、金属・ガラス・虫などの異物、細菌、農薬をはじめとした薬品などのさまざまな危害要因から食品を守り、衛生管理状況をチェックするために、宇宙食の開発から生まれた食品の衛生管理手法「HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Points:危害分析重要管理点)」を専用工場に取り入れ徹底的に管理。また、第三者に委託して店頭商品の買い取り検査も行っているという。ハウス食品は、原材料の調達から製品を消費者に届けるまで全ての工程で品質検査を行っているが、中でも食品分析技術や食品製造技術、品質管理技術などの向上には力を注ぎ、同社が培ってきた技術を活かすべく分析部門を「ハウス食品分析テクノサービス」として設立。第三者機関として「ハウス食品分析テクノサービス」に検査を委託し、製品の安全性確保に取り組んでいる。

 一方、ダイドードリンコは自販機・製品の製造・物流を外部の協力企業へ委託しているファブレス企業ならではのダブルチェック体制をしいている。製品を製造している各協力工場では、製品ごとに厳しい品質管理基準を設けており、各工程で製品サンプルの検査などを実施。また、生産ライン上でも異物が混入しないよう精度の高い仕組みも作っているという。製品製造後は、自社の品質管理部においても各工場から送られてくる製品サンプルをより厳しく品質チェック。ダブルのチェック体制を構築することで、「「本物のおいしさ」とは、味だけでなく、安全な原材料を使用し、製造から流通まで万全のチェック体制で、消費者に安心して楽しんでいただけるものであるべき」という自社の考えを貫いている。

 食の安心・安全への消費者の関心は年々高まるばかりだ。食の安全と消費者の信頼の確保は、業界全体の再重要テーマのひとつであることは間違いない。材料産地の開示はもちろん、各社が徹底した品質管理体制を行うという姿勢こそが、絶対的な安心感を消費者に与えることに繋がっていくのだろう。