売買代金は9000億円を割り閑散ムード漂う

2012年12月12日 09:32

 週明けのNYダウは14ドル高だったが朝方の為替はやや円高で、11日の東京市場は23.15円安の9510.60円と安く始まった。日経平均は9500円を一時割り込んだが値幅は前日終値の下の約50円の狭いレンジで推移した。大引けにかけて上昇し終値は8.43円安の9525.32円。売買代金は8783億円と9000億円を割り込む。9時の時点では大型株でも売買が成立しない銘柄が目立ち、火曜日でもありFOMCやメジャーSQや総選挙をにらんだ見送り気分の薄商いが続いた。

 上昇した業種は水産・農林、小売、ガス、非鉄金属など。ゲーム関連のDENA 、グリー、コナミが盛んに買われ、ファーストリテイリングは前日に続き年初来高値を更新し株価2万円に迫った。下落した業種は海運、電力、機械、保険、不動産など。自動車株のトヨタ、日産、ホンダは揃って下落。中国関連のコマツ 、ファナックも下げた。

 原子力規制委員会が「地下に活断層が存在する可能性が高い」と表明して敦賀原発廃炉による日本原子力発電の経営継続困難が現実味を増し、日本格付研究所は格付けを2段階下げた。債務保証している関西、中部、東北、北陸の4電力の株価がどうなるか注目されたが、第2位株主の関西電力は34円安で値下がり率8位、第3位株主の中部電力は44円安で12位、北陸電力は32円安で22位、東北電力は5円安だった。債務保証はないが第1位株主の東京電力は2円安。廃炉費用の負担が株主の電力会社にのしかかる可能性も指摘され、自民党政権復帰後の原発再稼働期待で買われた電力株に、敦賀から冷たい木枯らしが吹いた。

 逆に暖かい春風がまた吹いたのがシャープで、三菱UFJ信託銀行とみずほ信託銀行が合計約200億円を追加融資し、りそな銀行も200億円の融資を検討中と伝えられ14円高。売買高2位、売買代金1位とにぎわった。SUMCOは証券会社の投資判断の引き上げが効いて続伸。ヤマダ電機に買収されるベスト電器が値上がり率2位。福島銀行 、大東銀行は下落し、ブームは1日限りだった。

 今日の主役はルネサスエレクトロニクスで、前場で一時43円高まで上げたが後場に下げて終値は1円高。前日、政府系ファンドの産業革新機構と製造業8社から最大2000億円の出資を受け入れると発表した。発行価格120円で1500億円の第三者割当増資を実施し、産業革新機構の持株比率は3分の2を超え全面支援する。金融機関なら「一時国有化」だが、現経営陣は当分の間、交代せず経産省も再建計画に口出しはしないという。製造業8社はトヨタ、日産、デンソー、ニコン、パナソニックが下落、ケーヒン、キヤノン、安川電機が上昇した。