公益社団法人自動車技術会の主催で毎年恒例の、自動車技術展・EV技術展「人とくるまのテクノロジー展2011」が、今年も5月18日から20日の日程で、横浜市西区のパシフィコ横浜にて開催され、盛況のうちに終了した。
「人とくるまのテクノロジー展」は、毎年約400社、900小間の出展規模で行われている展示会で、自動車関連メーカや官公庁、民間研究機関の研究者、技術者はもちろん、大学や工業高等学校、専門学校の教職員や学生などが訪れた。
近年の地球環境問題やエネルギー問題への関心の高まりから、出展各社共にハイブリッド電気自動車(HEV)や電気自動車(EV)向けの製品の展示が目立った。スマートフォンなど携帯電話で同社のコンデンサが多く使われているという村田製作所が展示したのは、この度、同社が商品化した「車載電子機器向けの金属端子付き積層セラミックコンデンサ KCMシリーズ」。電子回路に欠かせないコンデンサは自動車においても重要になってきている。
HEVやEVに搭載される車載電子機器はとくに、激しい温度変化による基板の膨張伸縮の応力を受けやすい。また、長時間にわたって周囲の温度の急激な変化にさらされるため、はんだクラック(ひびわれ)への対応も必要不可欠だ。今回、村田製作所が商品化したコンデンサ・KCMシリーズでは、弾性作用を持つ金属端子を付けることにより、コンデンサ素体への衝撃を軽減し、熱衝撃や機械的衝撃による応力を緩和し、高信頼性を実現している。また、2個のコンデンサを積み重ねることで実装スペースを削減するとともに高容量化を実現した優れものだ。
村田のセラミックコンデンサ技術に代表されるように、車載電子部品にはその一つ一つにまで、より高い信頼性が求められる。「人とくるまのテクノロジー展2011」は、自動車大国日本の高い技術力と信頼性を示した展示会となった。