各社、夏に向けてサマータイムやクールビズを早期導入

2011年05月17日 11:00

 東日本大震災に伴う原子炉の問題により、政府は東京電力、東北電力管内の企業及び一般家庭に対して一律15%前後(昨年夏対比)の節電目標を設ける方針を打ち出している。

 しかし今回、中部電力が9日に発表した浜岡原発(静岡県御前崎市)の停止に伴い、電力の供給不足は否めず、全国規模で節電を考えなければならない状況に陥っている。現時点では「計画停電」は実施せず、節電で乗り切る構えだが、中部電力からの供給を当てにしていた東京電力管内も、15%という節電目標をさらに練り直す必要があるかもしれない。また、例年より早期にクールビズ、電力ピーク時間帯における電力消費量を削減するため就業時間を早める「サマータイム」の導入を進める企業が増えるなど、各社あらゆる節電策を講じていると思われる。

 パナソニックは、グループ会社であるパナソニック電工と三洋電機を含めた国内従業員約10万人が対象に、クールビズを実施しており、通常は9月末という期間を1か月延長し、10月末までとしている。また、サマータイムの導入も現在検討中だという。日本製紙グループ本社も就業時間を1時間早めるサマータイムをすでに導入している。

 飲料メーカーは、東京電力管内の飲料自販機の節電対策に取り組むことをすでに発表しているが、伊藤園は全国の事業所にて6月から9月末という期間、現行より就業時間を1時間前倒しとし、8時から16時30分に変更。クールビズも通常6月からの実施を前倒しで5月16日から9月末までとすることを発表している。また、ダイドードリンコは、グループ会社であるダイドービバレッジサービス、ダイドービジネスサービスと共に6月から9月末にサマータイムを導入し、各社の始業時間を原則として午前8時とすると発表した。クールビズについても実施期間を拡大。5月6日から10月末までとするなど、事業活動の様々な場面において消費電力削減策の具体化を進めているという。

 この夏、想像以上の猛暑により電力の需給が予想をはるかに上回ることも考えられる。個人も企業も、自分でできる節電を考え実行することが、苦難を強いられた日本の屋台骨を国民が内側から支えることに繋がっていくのではないだろうか。