東芝は10日、米国バブコック&ウィルコックス社(B&W社)と火力発電分野における協力関係構築に関して協議を開始することに合意し、覚書を締結した。B&W社は、火力発電関連のボイラーおよび補助機器等製造、原子力発電関連の熱交換器や圧力容器、加圧器などの製造行う企業で、売上高は26億8,900万米ドル(2010年)を誇り、約12,000人(2010年)の従業員を抱える。
この覚書の締結によって両社は、火力発電分野におけるパートナーシップの構築を目指し、電力需要の急激な拡大が見込まれるインドなどの市場において共同で市場開拓を目指とともに、タービン・発電機の受注に関する米国での市場開拓について、具体的な実施方法などの協議を行っていく。
今回の合意の狙いとしては、今後、中長期的に基幹電源としての役割を担うと考えられている火力発電分野において、東芝の蒸気タービン・発電機技術と、総合重機械企業として高い技術力を持つB&W社のボイラー技術の間には補完性があり、両社のリソースを効果的に活用することで相互の事業機会を広げていくことが挙げられる。
今回の発表で東芝は、今後、米国での保守ビジネスや、インドでの建設受注を目指すとともに、超臨界圧火力発電所の建設需要が高いアジア市場などでの火力発電設備の受注活動を強化していくことを宣言している。