民主党の安住淳幹事長代行は18日、「政治改革の1丁目1番地は脱世襲だと思っている」と語るとともに「自民党の皆さん、残念ですが、大物議員のほとんどが息子さんに地盤を譲っている」と世襲問題を指摘。
安住幹事長代行は「私たちは誰もが政治の世界に出てこれるような機会をつくる政党だから、世襲政治を認めないということを、しっかりこの選挙で掲げたい」と明言した。
民主代表の野田佳彦総理も衆議院解散後の記者会見で「脱世襲政治実現の先頭に立つ」と表明し、自民党への対抗意識を鮮明にしていた。
また、18日、野田総理は今期で引退する羽田孜元総理(衆議院長野4区)の長男で参議院議員の羽田雄一郎国土交通大臣が衆議院の同じ選挙区から鞍替え出馬する場合、党として公認しない意向で、脱世襲への決意を示す考え。
民主党は現職議員が引退や転出に伴って同一選挙区から配偶者や3親等以内の親族が立候補することを認めないとする党の内規の厳格履行で自民との違いをより鮮明にする意向だ。
一方、自民党は公募制度をとり、都道府県連が独自基準で公募応募者から選考したが、現職議員の息子だったり、「出来レース」との批判が相次いだ。
石破茂幹事長がのちに、応募者全員が識見、政策(やりたいこと)、経験などを同じ土俵で発表し、そのうえで、党員投票で決めるべきと、選考の公平性。透明性を地元組織に指示したが、その後の選考でも、手続きは踏まれたものの、自民党幹部議員の子息が候補に決まった。
親族と同じ地盤(選挙区)から出馬することになれば、従来からの地縁、血縁その他のしがらみで、公平な投票が党員から確保されるのか、やはり「出来レース」といわれる弊害は拭えないのではないか。石破幹事長の狙い通りの公平を確保する実効があがったのかどうか、さらに検証と改善が求められることになりそうだ。(編集担当:森高龍二)