枝野幸男官房長官は22日の記者会見で東京電力福島第一原発から20km以上離れた地域のうち、年間累積放射線量が20ミリシーベルト以上になると予測されるエリアについて「計画的避難区域」とし、福島県、地元関係市町村と調整のうえ、該当する地域の住民については「1カ月後を目途に安全なエリアに避難させる」ことを発表した。該当地域は葛尾村、浪江町、飯舘村の全域と南相馬市と川俣町の一部地域。
また、枝野官房長官は同原発から20km以上30km以内のエリアにこれまで出されていた屋内退避指示を解除し、あらたに「緊急時避難準備区域」とし、緊急時に避難できるよう準備を求めた。ただし「こども、妊婦、介護を必要とする人、入院患者はこの地域に入らないことが求められる」。一方、運送業者などに「日常の生活関連物資の搬入、運搬などについてはよろしくお願いします」とあくまでも当該地域が緊急時に備えて避難の準備をしておくべきエリアであることへの理解を求めた。該当地域は広野町の全域と楢葉町、川内村、田村市、南相馬市の一部地域。
計画的避難区域や緊急時避難準備区域などの見直しについては「6ケ月ないし9ヶ月先に環境モニタリングのデータなどを分析して行う」とした。
なお、枝野官房長官は原発から30km以上離れた飯舘村と川俣町に「現地政府対策室」を立ち上げ、総務省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省の職員を常駐させると述べた。同日、各省の職員が現地入りした。(編集担当:福角忠夫)