新幹線や航空機が年々利用しやすくなり、それらに比べて移動時間にデメリットを持つ高速バスだが、各高速バス会社はユーザーの視点に立って様々なメリットを提供することで巻き返しを図っている。
徳島を拠点に高速バス事業を展開する海部観光は13日、徳島(阿南・徳島)と東京(新宿・東京)を結ぶ高速バスに、高速バス用大型バスでは全国最少となる12名に乗客定員を絞り、徹底して居住性にこだわった新車両「MY Flora」を導入。同日より予約受付を開始したことを発表した。同社は2006年10月より横3列独立シート(乗車定員27名)の車両を導入し、2006年12月からは、横4列前後11列シート(乗客定員45名)の一般的な車両導入するなど、同区間の高速ツアーバスにおいて多様なニーズに対応してきた。今回導入された「MY Flora」は同社が初めて取り組んだオリジナル車両であり、外装はアートディレクターの大東浩司氏、座席などの内装は建築家の内野輝明氏と、地元を代表する面々がデザインを担当している。「現代の寝台特急」をテーマにデザインされた車内には、中央通路の左右にパテーションで仕切られた大型シートが6席ずつ。座席と通路の間のユニークな曲線の出入り口はカーテンで仕切ることができ、ほぼ個室の感覚でくつろぐことができる。「MY Flora」は今のところ1台のみであるため、既存の3列シートの車両との交互運行となるが、今年7月頃の2台目の導入に向けて同社は検討を行っている。
全国110都市を結ぶ高速バスの「WILLER EXPRESS」を運営するWILLER TRAVELは5日、大阪・梅田の梅田スカイビルに専用のターミナル「WILLERバスターミナル大阪梅田」を開設した。全国15方面に向けて1日37便のバスが出発するこの新ターミナルは「光と音と映像のエンターテイメント」をテーマに設計されており、チェックインがわずか15秒で完了するスマートチェックイン機や、旅先の情報を検索できるインターネットスペース、出発前の着替えや洗顔ができるパウダールームや更衣室などが導入されており、高速ツアーバスの利用者が快適に利用できる空間になっている。