伊藤忠商事と水処理関連製品の開発を行うササクラは6日、サウジアラビアにおける現地資本との合弁会社アクアパワー・ササクラ社(正式名称は「Arabian Company and Sasakura for Water & Power」、以下「APS」)を通じ、サウジアラビア海水淡水化公団(SWCC)より同国・シュアイバ市にあるシュアイバ フェーズ1海水淡水化プラントのリハビリ(機能回復・延命)工事を受注したことを発表した。受注金額は49億円で、海水淡水化プラントのリハビリ工事としては大型の規模となる。
同国は生活用水の大部分を海水淡水化プラントに依存しており、海水淡水化能力は世界最大規模であるが、近年は装置の老朽化や急激な人口増加、工業化による水需給の逼迫によってリハビリ工事が急務となっている。そんな中、1970年代より多数の海水淡水化プラントの納入を行ってきた伊藤忠商事とササクラは、2000年代に入ってAPSを設立。昨年には海水淡水化プラント用の逆浸透膜を製造する合弁会社を設立するなど積極的に取り組んできた。そしてAPSとともに、SWCCに対し海水淡水化プラントのリハビリ工事の提案を行い、2009年12月にSWCCによって実施された同プラントのリハビリ工事入札に参加。ササクラの技術力と現地化による技術移転の実績が高く評価され、この度の受注に繋がった。
今回の主な工事内容は、伝熱管やその他腐食部品の取替えと蒸発器内の抽気構造の改造で、工期は3年を予定。両社は今後も引続き、同国をはじめとした中東地域にて計画中の新設プラントやリハビリ工事の受注や、発電・造水事業への参画などビジネス規模の拡大を目指す。