東芝は29日、欧州、北アフリカにおける電力送変電(T&D)および電力・産業用太陽光発電プラント(PV)事業に本格的に参入することを目的とし、イタリアのT&DおよびPVエンジニアリング会社であるアンサルドT&D社の株式67%を取得したことを発表した。
アンサルドT&D社は、1853年に設立されたイタリアの重工業グループである「アンサルドグループ(現フィンメカニカグループ)」の一部門として1984年に事業を開始。2007年に現フィンメカニカグループから離れた後も、欧州、北アフリカを中心にT&DプロジェクトやPVプラントにおいて多くの実績を積み重ねてきた企業である。
今回の発表による同社調べでは、欧州とアフリカにおけるT&D市場の規模は、世界市場の20%近く(中国に次ぐ2番目の市場規模)を占めており、今後も着実な需要増加が見込まれているという。また、欧州におけるPV市場は世界市場の80%近くを占めており、今後も世界最大の市場であり続けることが見込まれており、さらに、今後はスマートグリッドプロジェクトなど、新たな市場の拡大も期待されている。今回の買収をきっかけに、今後同社はT&DおよびPV事業のグローバル展開を目指し、事業の拡大に力を注いでいくという。