震災直後より厚労省は、医療機関などに対する医薬品や医療機器などの供給や流通に支障がでないよう万全の処置を、日本製薬団体連合会、日本医薬品卸業連合会、日本医療機器産業連合会など関係5団体に要請していたが、被災地への医療品供給不足が深刻さを増している。
現在、不足している機材、資材は医療用酸素、血液透析用の生理食塩水、滅菌精製水、透析水、人工呼吸機を動かす為のポータブル発電機、自家発電の燃料となるA重油と言われている。
厚労省の発表によると、13日時点で必要な血液製剤は供給されているという。ただ、東北地方の一部地域では赤血球製剤の在庫が目減りしているため、全国各地でバックアップ体制を取り、搬送経路を確保して供給不足に陥らないよう対応している。
被災地にある一部献血センターでも13日までに献血を再開。さらに全国の献血量を増やすための措置として、北海道、福岡、熊本などに臨時の献血センターを開設した。また、医薬品や医療機器の供給状況も調査している。13日時点で宮城県から破傷風ワクチンと輸液製剤の補給要請があり、卸と調整中。また在宅医療用ガスについても補給要請もあり、メーカーに確認しているという。
また医政局経済課では、医薬品・医療機器企業や卸の被災状況も調べている。東北地方のいくつかの工場で停電が発生し、医薬品や医療機器を出荷できない状態になっている。まだ被災地の全容は把握できていないものの、津波や天井の崩落で物流センターが使用不能になっているところもあるという。
そのような中、オリンパスは14日、同社グループにおける東北地方太平洋沖地震の被災状況を発表した。若干名の軽傷者が発生したことに加え、該当地域のグループ企業が操業を停止している。いずれも医療用内視鏡製品・システムなどが主要事業であるという。白河オリンパスは停電と建物の一部被害により操業を停止。オリンパスメディカルシステムズ白河事業場でも建物の一部被害で操業を停止しているという。 また、青森オリンパスでは一部材料の調達に支障が出たため、いったん操業を停止している。 オリンパス仙台営業所に大きな被害はないため、現在、営業再開の準備を進めているという。