中国での挙式文化の変化に日本企業が注力

2011年03月08日 11:00

 中国の近年の中間所得層の台頭などにより、挙式文化においては、従来の婚礼写真の前撮りとホテルやレストランにおける披露宴を行うという一般的なスタイルから、より「自分たちらしい結婚式」を求める声が出てきているという。非日常的なリゾート地で旅行を楽しみながら挙式を行うことができる「海外挙式」のスタイルも、中国の現地カップルよりインターネットやブライダルフェアなどを通じて申し込みが相次ぎ、沖縄やグアム、京都などで海外挙式も施行、問い合わせも増加傾向にあるという。

 そのような中、ワタベウェディング は、中国大陸初となる海外挙式総合サービス店舗「ワタベウェディング 上海店」を、中国・上海市に2010年9月よりオープンしている。同施設のオープンにより、2007年より香港、台湾の直営店舗にて展開してきた、アジアにおけるデスティネーション挙式事業を中国大陸においても本格的に取り組みを開始。上海店のオープンにより、さらなる中国本土における海外挙式サービスの拡充を企図し、旅行会社等の提携販売先の問い合わせ拠点としても活用している。

 また、ウエディングプロデュース・レストラン運営のノバレーゼ は、中国に設立した子会社「上海ノバレーゼ」が台湾のドレスメーカー「グリーンピジョングループ」と業務提携を締結、婚礼事業のコンサルティングで中国に進出する。台湾メーカーが出店する中国・蘇州の婚礼衣装店の運営を行うほか、同社の社員を派遣し、営業の接客マナーや運営ノウハウなど日本で培った同社サービスを現地スタッフに教育するという。

 また、中国人の体形に合わせたウエディングドレス100着のデザインも手掛け、同社デザイナーがトップスの位置をあげ、スワロフスキーなどの装飾を上に施すなどし、体形を美しくみせるドレスをデザインする。衣装の製作は台湾のメーカーが行い、華やかなデザインをより適正な価格で販売する。

 同社は、2010年8月に上海で100%出資の現地法人「上海ノバレーゼ」を設立し、ロール寿司を中心とした創作和食店「SHARI」の上海店を開業。同年9月には中国・蘇州の大型式場の運営に関するコンサルティング業務を開始している。式場では披露宴の企画や装花・映像演出など日本式の婚礼商品を提供しながら、中国式の赤を基調とした舞台設営や演出をし、双方の婚礼文化を組み合わせた、新たな結婚式をトータルでサポート。今後は北京や上海、広州といった大型都市で、レストランの開業や設備投資を抑えた式場・婚礼衣装店の受託運営を先行し、自社物件の結婚式場運営の布石にする計画だという。