近年、グローバルにおけるガバナンスの強化、ITによるシステム運用負荷の軽減、TCO削減といったニーズが強まる中、クラウド指向のシステムサービス活用に対する関心が急速に高まっている。
そのような中、NECは三井住友銀行に対し、プライベートクラウドサービスの提供を開始する。同サービスは、NECのブレードサーバ「Express5800 SIGMABLADE」やストレージ装置「iStorage」などのハードウェアをベースとしたクラウドサービス基盤を、三井住友銀行のデータセンター内に設置し、運用保守まで含めてサービスレベルを明確にしたサービスとして提供するもの。NECは、OMCS(Open Mission Critical System)で培ったSI技術やノウハウを活用し、本基盤を用いてサーバ・ストレージ・ネットワークの仮想化環境や、一元化した運用環境を安全・安心に提供する。
また、三井住友銀行は、サーバCPUはコア単位課金とし、ミドルウェアはオプションサービスとするなど、シンプルかつ柔軟な料金体系で提供されるIaaS、PaaSの利用を開始。これにより、ニーズに応じて「使いたいときに使いたいだけサービスを利用する」ことが可能となり、一層効率的なシステム利用ができると見込んでいる。
一方、日立情報システムズは、2010年12月3日よりプライベートクラウド環境を企業内に構築する「プライベートクラウド構築ソリューション」を本格的に展開している。 同社では、これまで提供してきた仮想化ソリューション「VSolution」やデータセンターで展開するハイブリッドアウトソーシング「BusinessStage」、各種SaaSソリューション、セキュリティクラウドサービス「SHIELDeXpress」などを「仮想プラットフォーム」と「アプリケーション環境」、「ネットワーク・セキュリティ」、「デスクトップ環境」の4分野に集約してサービスを展開している。
同社は今後2年間で約200社を超える顧客に対する仮想化ソリューションの導入実績やクラウドを利用したシステムの構築・運用技術などにより、信頼性の高い安心・安全なプライベートクラウドを短期間で構築。また、アクセスログの一元管理やPKI(Public Key Infrastructure)による強固な認証基盤の導入により、コンプライアンスが強化できるとしている。
さらにプライベートクラウド構築ソリューションを、日立グループのクラウドソリューション体系である「Harmonious Cloud」の1つとして展開。大規模企業、中堅規模企業に展開し、2012年度に200億円の売上を目指す。