毎月決まった額の貯金をしている人は1992年に比べ半減、29.9%にまで下がっていることが博報堂生活総合研究所の定点観測調査で分かった。
逆に欲しいものでお金と答えた人は56.8%と2000年に比べ8ポイント上昇。2008年に比べても2.5ポイント増加。いずれの回答も厳しい経済状況を反映している。
調査は「1992年の調査開始から2年に1度、同じ条件の調査地域・調査対象者に対し、同じ質問を繰り返し投げかける定点観測型アンケート調査として実施。その結果から、生活者の意識や行動の変化を時系列で捉え、将来の価値観や欲求の行方を予測することを目的としているもの」で、首都圏40キロメートル圏と阪神30キロメートル圏の20歳から69歳までの男女を対象に実施している。2010年のサンプル有効回答数は3389人だった。
それによると、毎月定額貯金している人は同研究所の調査が始まって以来の最低水準になったほか、お金が欲しいとした人も調査開始以来2番目に高い数値になった。
今回の調査結果に、同研究所は「お金に関する別の質問を見ると、買う前に値段をよく比較する方だが1992年(52.1%)に比べ2010年は57.2%と5.1ポイント増加するなど、家計が厳しい今の状況で、生活者は商品やサービスによってもたらされる価値の価格をしっかり吟味して消費しようとしている」と「価値の価格を吟味する消費」行動を指摘した。(編集担当:福角やすえ)