社会保障制度 国民的議論を総理が呼びかけ

2011年01月27日 11:00

 菅直人総理は自身が発信するブログで国土交通省国土計画局が作成した「日本の総人口の推移」を示し、急速な人口減少と急激な高齢化率への認識の共有を国民に求めるとともに、消費税引き上げを含む税制改革と一体化した社会保障制度論議への参加を呼びかけた。

 総人口推移グラフによると、1868年の明治維新以後(3330万人)から2004年12月の人口ピーク時(1億2784万人)までは急激な人口増となり、その後、一転して下降線を辿りはじめ、ピーク時から26年の間に1262万人減少し、2030年には1億1522万人に、さらにそこから20年後の2050年には9515万人にまで減少すると予測している。

 一方、人口高齢化率(2004年の19.6%は2030年には31.8%、2050年には39.6%になる)は右肩上がりで上昇していく。

 菅総理は「急激に突出した頂点を過ぎ、現実に下降線に反転した直後という、深刻な崖っぷちに全員が立たされている」との状況認識を求め、「持続可能で安心できる社会保障制度をどのように実現するか、国民全体で真剣に、今すぐ、政策の中身を論じ合おうではないか」と社会保障制度の議論に積極的な国民の参加を求めた。

 社会保障制度のうち、年金の財源については基礎年金部分を全額税で賄うようにするのか、保険料と税で賄うのか、政府の中でも方向性が明確でない状況だ。
(編集担当:福角忠夫)