文部科学省中央教育審議会初等中等教育分科会特別支援教育のあり方に関する特別委員会は特別支援教育にあり方についての論点を整理し、公開した。
それによると、障害のある子どもと障害のない子どもができるだけ同じ場でともに学ぶことをめざすべきとの方向性を明確にするとともに、ともに学ぶことにより「同じ社会に生きる人として、互いに理解し、助け合い、支え合って生きていくことの大切さを学ぶなど、個人の価値を尊重する態度、自他の敬愛と協力を重んじる態度を養うことが期待できる」としている。
そのための具体的な環境整備を進めるとともに、就学先の決定に際しては「就学基準に該当する障害のある子どもは特別支援学校に原則就学するという従来の就学先決定の仕組みを改め(1)障害の状態(2)本人の教育的ニーズ(3)本人の意見(4)保護者の意見(4)専門家の意見等を踏まえた総合的な観点から就学先を決定する仕組みとすることが適当」と現行方式の見直しを提起。
また、その際、「本人・保護者に対し十分情報提供をしつつ、本人・保護者の意見を最大限尊重し、本人・保護者と教育委員会、学校等が教育的ニーズと必要な支援について合意形成を行うことを原則とし、最終的に市町村教育委員会が決定。本人・保護者と教育委員会、学校等の意見が一致しない場合の調整の仕組みについて、今後、検討していくことが必要」とした。
障害児の就学先決定については、これまでにも本人や保護者の意向を受けられるよう改善策が採られてきたものの、学校施設上の問題や障害児の学校生活における校内での安全確保(ハード、ソフト)の課題もあり、希望通りの就学ができないケースが生じており、こうした課題解消が急がれている。
(編集担当:福角忠夫)