メディアの多様化などに伴い、減少を続ける新聞販売数。2012年下半期の平均を示した日本ABC協会のデータによると、最も販売部数の多い読売新聞が1000万部をわずかに割り込み、朝日新聞も800万部を割り込んだ約763万部。その他の新聞社も例外ではなく主要5誌は軒並み販売部数を減少させている。
こうした中、ジャパンタイムズが、ニューヨークダイムズと国内での新聞発行において業務提携することに合意したと発表。ジャパンタイムズとニューヨークダイムズの紙面がセットとなり、日本市場において「The Japan Times/International New York Times」の名称で一つの商品として月曜から土曜まで発行、販売されることになる。
ジャパンタイムズは、116年の歴史があり、日本最大発行部数を誇る独立系の英字新聞。その発行部数は、東京・名古屋・大阪圏に在住する欧米系外国人の約半数に相当するという。一方のニューヨークタイムズは、今年2月25日に名称変更が発表され、今年末から世界の読者に向けて独自に編成・編集されたNew York Timesのインターナショナル版のInternational New York Timesとして発行される最高級紙。広範囲のリソースと世界中に40箇所の印刷拠点を保有しており、160カ国以上の国や地域において販売されているものである。
今回の提携により「The Japan Times/International New York Times」は二部構成に。一部目は、現行のThe Japan Timesのコンテンツをそのまま活かしたもので、従来どおりジャパンタイムズの東京本社及び大阪支社にて編集・作成。二部目は、International New York Times(現International Herald Tribune)の香港・ニューヨーク・パリ及びロンドンオフィスにて編集・作成されるとのこと。また、「The Japan Times/International New York Times」の購読者は両社のウェブサイト及びスマートフォン、タブレットとPC用のアプリへのアクセスが無料で可能になるという。
企業のグローバル化や社内の英語公用語化が進み、幼児にさえ英語教育をすることが特別ではなくなりつつある。こうした流れの中、英字新聞の需要は増しつつあるのかもしれない。(編集担当:井畑学)