積水ハウス<1928>は、静岡県掛川市の静岡工場に127台のロボットによって自動化された新しい製造ラインを27億円の設備投資額をかけて導入し、11月より稼動を開始させたことを発表。22日に報道関係者に向け公開した。今年9月に発売した50周年記念商品「Be Sai+e(ビー・サイエ)」の鉄骨構造システムを生産するための製造ラインで、高い品質を維持しながら生産効率を高め、さらにコストを削減することを目的としている。
新製造ラインでは、127台のロボットと自動搬送台車を活用し、製造の一連の流れをライン化することにより、これまで60%だった自動化率を95%に高めるとともに、省人化と24時間生産体制を確立した。そして、従来のロット生産(予測生産)ではなく、自由設計で受注した住宅ごとに必要な部材の生産を行う「完全邸名別生産」とし、在庫の削減や製造コストの抑制も実現している。
「Be Sai+e」は、同社が軽量鉄骨造住宅商品で採用している構造システム「Bシステム」を拡張し、構造システムの部位ごとに最適な厚みや太さの部材を配置することで、これまで以上に設計の自由度を高めたものである。そのため、従来の鉄骨造戸建商品と比べ部材の品種も約3倍にあたる5万4千点程度と大幅に増加するが、ロボット導入による24時間稼働や省人化、静岡工場での集中生産によりコストダウンを図り、これまでと同等の価格で提供することが可能となった。さらに、ロボットに取り付けられたレーザーセンサーによって、製造された部材の形状や溶接位置を随時確認するなど、製品の精度や品質を向上させることにも成功。こういった、高度な自由設計に対応する多品種の構造システムを自動で生産できる大規模な製造ラインは、住宅業界初である。
同社は、今後も生産改革を推進し、品質と価格の双方によるメリットを追及しつつ、顧客に向けて提案を行っていく。
(編集担当:上地智)