日本成人の4.4人に1人が腰痛や肩こりなど慢性的に痛みを抱えていることがムンディファーマの大規模調査で分かった。新しい治療があれば試してみたい、との回答が約7割にのぼるなど、医療、医薬品部門で、この市場の需要が期待できることを浮き彫りにしていた。
同社によると「日本人の約2315万人が慢性疼痛を有していることが明らかになった」としており、「慢性疼痛をもつ患者の痛みに対し7割が適切に緩和されておらず、2004年の調査から6年経た今も、痛みが適切にコントロールされていない現状が明らかになった」としている。
この調査は今年6月から7月にかけて、慢性的な痛み(慢性疼痛)をもつ患者の割合や治療実態、患者意識を把握するために、20歳以上の男女(1次調査4万1597名、本調査5998名)を対象に実施。
その結果、慢性疼痛を保有する患者数は日本人成人人口の22.5%に相当する約2315万人いると推計されることが分かった、という。
慢性疼痛の原因となっている病名・症状としては、腰痛が55.7%、四十肩・五十肩、肩こりが27.9%、頭痛・片頭痛が20.7%、関節炎が12.9%、末梢循環不全(冷え症)12.2%などだった。
こうした症状を抱えた人の約7割が「やる気の喪失、精神的なストレスを感じている」と回答していた。
過去6ヵ月の間に痛みが原因で休んだ日数については、仕事で9.8日(会社員など対象にアンケート)、学校6.5日(対象は学生)、家事17.9日(主婦対象)(いずれも1日以上休んだ人における平均日数)となっており、影響の大きいことも分かった。
また、約7割の人は新しい治療があれば試してみたい、と回答。現状では、満足のいく痛み解消や痛みの緩和が図れていないことをうかがわせていた。満足いく程度に痛みが緩和されているとの回答は29%にとどまっていた。
(編集担当:福角やすえ)