菅直人総理は、27日、名古屋国際会議場で始まった生物多様性条約 第10回締約国会議(COP10)ハイレベル・セグメント開会式であいさつし、生物の多様性が、かつてないスピードと規模で失われていることに強い懸念を表明するとともに、自分たちの世代で、これを食い止め「豊かな地球を、将来の世代に引き継いで行かなければならない」と取り組みへの決意を示した。
菅総理は、そのためには「ポスト2010年目標を策定することが不可欠で、世界共通の目標に合意するため、皆様の協力を心から求める」と参加各国の努力と協力を呼びかけた。
また、「ポスト2010年目標が合意された場合、我が国は、世界の先頭に立ってその実現に尽くす用意がある」として、具体的には「国内で培った技術や経験を活かして途上国を支援する。途上国が国家戦略を策定し、実践していく取り組みを支援するため『いのちの共生イニシアティブ』を立ち上げ、2010年から3年間で20億ドルの支援を行いたい」と数値をあげて、日本政府としての姿勢を示した。
菅総理は、あいさつの中で「日本列島の3分の1に当たる面積の森林が、毎年、地球上から消えている。大変残念なことは、現在進行中の大絶滅、大量絶滅は、私たち人間の活動が大きな原因となっていることであり、このままのペースで破壊が進めば、人類がこれまで享受してきた多くの自然の恵みは、永久に失われる。その結果、人類自身が地球上に存続することすら危うくなるおそれがある。私達の世代で、大絶滅を食い止め、この宇宙でも貴重な、この豊かな地球を、将来の世代に引き継いで行かなければならない」と訴えた。