積水ハウス、「栗東資源循環センター」の稼動で資源循環を加速

2010年10月12日 11:00

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5日に完成した「積水ハウス栗東資源循環センター」。建築廃棄物の処理予定量は年間約11,700トン。屋上には60kWの太陽電池パネルを搭載している。

 積水ハウス <1928>は5日、関係会社であるアルメタックス <5928>が滋賀県栗東市内で建設を進めていた「積水ハウス栗東資源循環センター」が竣工に至り、翌6日に稼動を開始すると発表した。

 「積水ハウス栗東資源循環センター」は、近畿2府4県、東海3県、福井県における積水ハウスの住宅施工現場から排出される建築廃棄物のリサイクル処理において、廃棄物の回収から再資源化までの工程を一貫して管理するシステムを有した施設である。同社が上記エリアにおける建築廃棄物のリサイクル処理をアルメタックスに委託したことに伴い、アルメタックスが自社工場跡地に建設したもの。これにより、積水ハウスはこれまで関西圏に3カ所(滋賀県長浜市、堺市美原区、兵庫県加東市)あった集荷拠点を1カ所に集約し、施設とリサイクル設備の充実を図る。

 積水ハウスは、ゼロエミッションの指針を「資源のリサイクルを徹底し、熱回収を伴わない焼却、廃材の埋立処分を一切行わないこと」と定め、2000年より本格的な取り組みを開始。廃棄物自体の発生量の削減と再資源化を推進し、2002年に生産工場でのゼロエミッションを達成した。2004年には新築施工分野において廃棄物処理法の特例制度である「広域認定」を取得し、2005年に新築施工現場、2006年にアフターメンテナンス部門、2007年にリフォーム施工現場と順次範囲を拡大することにより、住宅業界ではじめて上記4部門でのゼロエミッションを達成している

 同社は、新築施工現場から排出される廃棄物を施工現場で27種類に分類し、最寄りの資源循環センターで60品目以上に分別。分別された石膏ボードや陶器瓦などをグラウンド用の白線剤(プラタマパウダー)やエクステリア材などに再生・利用している。さらに、廃棄物の回収袋にICタグを貼付し、発生量や種別などのデータを緻密に把握・分析する次世代型のゼロエミッションシステムの全国展開を今年11月に予定するなど、資源循環に関する徹底した取り組みを行ってきた。

 今回の「積水ハウス栗東資源循環センター」の稼動によって、同社の建築廃棄物の資源循環への取り組みがさらに加速しそうだ。同社には、業界初の「エコ・ファースト企業」として住宅業界の環境意識を高めるとともに、先導的な役割を担っていくことが期待されている。
(編集担当:上地智)