富士経済が漢方処方製剤・配合剤と漢方・生薬製剤の2010年の市場調査を行った結果、漢方・生薬製剤市場は2394億円となる見込みで、2009年に比べ20億円、率にして0.8%増加することが分かった。
これは、同社が漢方・生薬製剤の薬効領域11市場の分析に加え、原料や研究開発動向の分析、原料メーカー及び一般用医薬品メーカー56社の事例の分析を盛り込んで調べたもの。
それによると、漢方・生薬製剤は「洋薬にはない効果・効能、自然素材の安心感や安全性、穏やかな効き目感などで注目されている」としており、「2009年の漢方・生薬製剤市場は前年比1.5%増の2374億円で、近年は苦戦が続く一般用医薬品市場の中でも、漢方・生薬製剤は堅調に推移しており、2010年は2394億円が見込まれる」とした。
市場規模の大きい薬効領域は生薬配合ドリンク剤(657億円予想)、その他保健薬(滋養強壮剤、薬用酒、ビタミン剤など、439億円)、胃腸薬(374億円)、循環器・血液用薬(228億円)、感冒関連用薬(201億円)で、中でも、漢方製剤では「新薬的なイメージでマーケティング展開を行うブランド漢方が洋薬との差別化を図ることに成功して実績を伸ばし、特に循環器・血液用薬の肥満防止剤や泌尿器官用薬の頻尿・尿もれ改善薬がその代表格となっている」としている。
(編集担当:福角忠夫)