インド、タイ、マレーシアなど新興国の企業が出資する日本企業は5年前に比べ約1.5倍に増えていることが帝国データバンクの調べで分かった。6日発表した。
帝国データバンクによると新興国の企業が出資する日本企業は120社と5年前(82社)に比べ38社(46.3%)増えた。
「日本における事業拠点として国内に100%出資の子会社を設立するケースが半数を占めるが、日本企業が実施した割当増資を引き受けるほか、実質的に新興国企業が日本企業を傘下におさめるケースも散見された」としている。
これは帝国データバンクが自社のデータベース・信用調査報告書ファイル(150万社)からインド、ブラジル、ロシア、ベトナム、マレーシア、インドネシア、タイ、フィリピン、アルゼンチン、トルコ、南アフリカの11カ国の企業から出資のある日本企業を抽出し、社数、国別、業種別、年商規模別に集計して分かったもの。
業種別では卸売業が50社(41.7%)と最も多く、食品、医薬品、化学製品、貴金属などの貿易会社が目立つとしている。
帝国データバンクでは「高い経済成長を続けるインド、ブラジル、ベトナムなどの企業が、日本企業のもつブランドや技術獲得を目的とした積極的なM&Aに動く可能性は今後十分ある。巨額の資金を扱う各国の政府系ファンドの動向とともに、新興国における各業界の有力企業の動きから当面目が離せない」と報告している。
(編集担当:福角忠夫)