高収入など謳う軽貨物運送の代理店契約に注意を

2010年09月07日 11:00

 「独立開業で高収入?」、「仕事紹介」などの文言を信じて、軽貨物運送の代理店契約を高額な入会金や軽自動車の契約とともに結んだものの、実際には紹介がない、紹介された仕事が収入につながらないなどから、国民生活センターや各地の消費生活センターに持ち込まれる相談が2008年以降増加傾向にあるとして、国民生活センターはトラブルに巻き込まれないよう注意を呼びかけている。2000年度以降、これまでに5186件の相談が寄せられていた。

 相談者の半数以上は50歳から60歳代で、家族を養うため仕事を探していてトラブルに巻き込まれた。入会金や軽自動車の契約金という債務だけが残り、多重債務に陥った、など深刻なケースもでている。

 国民生活センターでは「特定商取引に関する法律では業務提供誘引販売取引という取引形態を定め、契約者を保護する目的で様々な規定を設けているが、代理店を募る業者の中には、あくまで事業者間の契約だと主張して、クーリング・オフに応じず、解決が困難になることが多い」と言い、今回の注意喚起に至ったとしている。

 相談で多いのは(1)仕事を紹介すると言われたのに、継続的に仕事が紹介されない(2)仕事は紹介されたが、説明のような収入にならない(3)仕事を紹介すると言われ契約したが、全く紹介されない。(4)入会時に契約した車や会費の支払いのために、新たな借金をしてしまった(5)車が必要だと言われ購入したが、購入した車を使わない仕事しか紹介されない、といった内容のもの。

 センターでは、問題点として(1)広告等に、断定的な表現や、誰でも高収入が得られると思わせるような表現がみられる(2)「確実に仕事を紹介する」「収入になる」と説明されて契約しても、実際には説明のような仕事が紹介されないケースがある(3)特定商取引法上の法定書面を交付していないケースがある(4)トラブルが生じた場合には、取引形態が複雑であるため、交渉が難航するケースがあるなどをあげている。

 このため、(1)将来得られるという収入で支払うことを前提とした契約を避ける(2)断定的な表現や、誰でも高収入が得られると思わせるような広告、説明に注意する(3)業務条件を書面等にて具体的に確認する(4)トラブルが生じた場合は自分で何とかしようと新たな借金等をしたりせず、早めに消費生活センターに相談することを助言している。
(編集担当:福角忠夫)