たばこ税引上げ 厚労省が来年度税制改正で要望

2010年08月31日 11:00

 たばこの価格は今年10月1日から引上げられるのに、厚生労働省は来年度税制改正要望の中で、さらに、たばこ税並びに地方たばこ税の税率引上げを要望した。

 国民の健康の観点から、税率を引上げ、たばこの価格を上昇させて、消費を抑制することが狙いとしている。

 厚生労働省によると、男性喫煙者の肺がんによる死亡率は吸わない人に比べ約4.5倍。慢性閉塞性肺疾患の80%から90%は喫煙が要因になっている。40歳時点で喫煙している男性の平均余命は吸わない男性に比べ3.5年短いなどを主な理由にあげ、主要国の男性の喫煙率(ドイツ34.8%、フランス33.3%。イギリス22%、オーストラリア16.6%)からみても日本の男性の喫煙率は36.8%と高いと男性の喫煙に照準を合わせた説得資料を提起している。

 また、主要国のたばこ価格を比較(1ドル94円換算)しても、1箱20本入りで、イギリスでは1008円、オーストラリアで734円、フランスでは682円、ドイツでは600円であるのに対し、日本は300円(10月から410円になる)となっているとして、たばこ需要の減少のためには価格引き上げが必要と、税率引上げの根拠のひとつにあげている。愛煙家には厳しい提案だ。
(編集担当:福角忠夫)