農水省 緑と水の環境技術革命総合戦略骨子示す

2010年08月16日 11:00

 農林水産省は農山漁村の資源を活用し、素材、エネルギー、医薬品などの分野において新たな産業の創出に向けた「緑と水の環境技術革命総合戦略」の骨子を13日、発表した。

 (1)農山漁村の活性化効果(2)市場創出効果(3)早期の産業創出の可能性を踏まえ、事業化を推進すべき重点分野を選定するとともに、戦略的、集中的に施策を実施していくとしている。

 今回の戦略は、農山漁村が過疎化や高齢化、兼業機会の減少、地域によって限界集落化しつつあることなどから、こうした地域の活力再生が急務として「新たな付加価値を農山漁村地域内に創出し、雇用と所得の確保とともに、若者やこどもも定住できる地域社会の構築をめざそう」と立てられた。

 重点分野として(1)食料利用と競合しない未利用バイオマスエネルギーの利用(2)藻類などの新規資源作物の燃料、飼料、水質浄化など多様な利活用(3)生物由来の医療用素材、動物や植物などが有する生物機能の高度利用(4)クロマグロなどの完全養殖(5)ITはじめ人工光源やロボット技術などを農業に活かし、計画生産、施設栽培の補完など高度生産管理システムの創出(6)超長期鮮度保持技術の開発により、生鮮農林水産物の需給バランスの安定化や物流網の効率化、輸出拡大につなげる、などを具体事業として挙げている。

 また、こうした重点分野は社会情勢の変化などに対応し、機動的に追加、見直しをする意向。いずれにしても、産・官・学・地域の4連携が欠かせない内容になっている。
(編集担当:福角忠夫)