核保有国米国代表 広島平和記念式典に初の臨席

2010年07月30日 11:00

 仙谷由人官房長官は29日、広島の平和記念式典にジョン・ルースアメリカ駐日大使が出席することをアメリカから正式に連絡を受けたと語るとともに、「主要国の関係者が平和記念式典に参加することは、原爆投下の惨禍を二度と繰り返してはならないという核軍縮に向けた我が国の強い願いへの理解を深めていただく機会になる」と歓迎した。

 核兵器所有国のアメリカの政府代表が広島の平和記念式典に臨席するのは初めて。

 秋葉忠利広島市長も「被爆65周年となる今年の平和記念式典に、米国から初めてジョン・ルースアメリカ駐日大使が参列されることを心から歓迎したい」とのコメントを発表した。

 秋葉広島市長は「式典は原爆で亡くなられた方々を悼むとともに、世界恒久平和の実現を祈念することが目的であり、この趣旨を踏まえて、米国が参列を決められたものと受けとめている。ルース駐日大使の参列が核兵器廃絶への国際世論をさらに大きく動かし、核兵器保有国の政府が核廃絶の政治的意思を固めることに繋がることを大いに期待している」とした。

 今年の式典にはアメリカ、フランスをはじめ、過去最多の69カ国から参加が予定されており、8月6日午前8時から広島県中区中島町の平和記念公園で、菅直人総理はじめ、秋葉広島市長、岡田克也外務大臣、長妻昭厚生労働大臣、衆参議長、遺族代表(白沢いづみさんら41人)、国連事務総長ら参列者多数の下、原爆死没者の慰霊と恒久平和の実現を祈念することになっている。
(編集担当:福角忠夫)