厚生労働省は一般用医薬品の販売制度定着状況の調査結果をまとめた。覆面調査で実施された通信販売実態調査では10件中6件が厚生省令を逸脱し、第1類医薬品や第2類医薬品を販売していた。
これは医薬品の安全性を確保するため、副作用のリスクの高い順に第1類、第2類、第3類と分類し、第1類については薬剤師が、第2類、第3類については薬剤師と登録販売者が薬事法や省令に基づいて消費者に情報提供や商品提供、商品陳列などをすることにしたもの。昨年6月1日の改正薬事法施行にともなって、こうした販売制度になったが、実際の販売現場でどの程度、新制度が定着しているかを調べた。
あわせて、通信販売についても実態調査が行われたもので、薬局。薬店が住居地にない離島居住者や改正薬事法が施行される前から通販で購入していた医薬品の継続使用者については例外的に、経過措置として平成23年5月31日まで郵送での販売等が認められている。このため、調査員は離島居住者や継続使用者でないことを条件に第1類医薬品や第2類医薬品が購入できるかどうかを調べた。
今回調査では第1類医薬品/第2類・第3類医薬品は「総合感冒薬(内用)」、「ヒスタミンH2受容体拮抗剤含有薬」、「鎮痛・鎮痒・収れん・消炎薬」、「制酸・健胃・消化・整腸を2以上標榜するもの」、及び「胃腸鎮痛鎮けい薬」を対象とした。
その結果、インターネットや電話での申し込みによる通信販売について、第1類、第2類医薬品が購入できるかどうかの覆面調査で10件中、6件で購入できた。
購入できた事案をみると、ホームページで会員登録すると第1類が購入できた、というものや画面上で「購入履歴あり」を選択しただけで第2類医薬品が購入できた。他のケースでは「購入履歴なし」を選択したのに購入できたというもの、電話での購入だったが、購入履歴などの確認が無く、第2類医薬品を購入できた、というものなどだった。通信販売では改正薬事法や省令遵守への啓蒙、啓発が求められているといえそう。
(編集担当:福角忠夫)