丸紅、長野県茅野市の「蓼科発電所」を買収し再生

2010年06月23日 11:00

 丸紅 <8002> は100%子会社の三峰川電力株式会社を通じ、長野県茅野市蓼科の観光地において蓼科開発農業協同組合が所有する水力発電所「蓼科発電所」の営業権及び発電設備一式を買収。総事業費3億円をかけて再生に取り組む。

 同発電所は、昭和29年に各種産業の育成を図るため、地元の方々が協力して建設した水力発電所。運転開始以来、自家用発電所として近隣関係施設に長きに亘り自営線により電力供給を実施してきたが、2007年5月に設備の老朽化、維持管理の負担を理由に供給を停止し、現在は運転を休止している。

 しかし今回「地域のシンボル的存在である蓼科発電所を復活させたい」との地域住民の声を受け、水力発電事業の実績とノウハウを持つ三峰川電力が、当該発電所の再生を支援することとなった。

 同事業については昨年度、一般社団法人新エネルギー導入促進協議会(NEPC)が経済産業省の委託を受けて実施する「新エネルギー等事業者支援対策事業」の交付を受け本年6月末より本格的工事に着手。2011年5月に運転を開始する予定だ。

 再開する蓼科発電所は、最大出力260kWの小水力発電所で、年間発電電力量約1,830,000kWhを発電する計画だが、これは約500世帯分の電力量に相当する。このクリーンエネルギーの創出により、石油火力発電所に置き換えると1年間でドラム缶約2,380本分の石油を節約。またCO2の排出量を年間約1,000t削減することができる。

 丸紅は今後も全国各地で小水力発電事業を展開し、新たな発電所の建設や遊休施設のリニューアル等を行う事で、5年以内に10か所の新規電源開発を目指す。
(編集担当:宮園奈美)