国土交通省はテロ防止の充実を図るため、7月5日から9月10日まで、成田国際空港で5機種について、ボディスキャナーの実証実験を実施する。18日発表した。
ボディスキャナーについては体のラインが鮮明に映し出されるなどからプライバシー保護に対する対策が徹底されることが求められていたが、今回の実証実験では鮮明な画像が直接調査員の目に触れることなく機械内で自動検知する機種のほか、画像が直接調査員の目に触れるタイプの機種については本人が特定できないよう顔をぼかし、画像分析担当者を被験者と同性の調査員にする、画像分析を行う部屋に画像分析担当者以外の者の入室を禁止する、画像は完全に破棄する、画像分析室へはカメラ付き携帯電話やカメラなど記録媒体の持ち込みを禁止するなど、徹底してプライバシーを守るように努めるとしている。
国土交通省では、日本人旅客を主な対象に任意の協力を得て一般旅客を対象とした運用実験を行うとともに、調査員が模擬の爆発物や凶器を携帯して、機械の検知能力についての試験も実施することにしている。
昨年12月に米国機に対するテロ未遂事件では金属探知機では探知できない化学物質が爆薬として使用されたとして、以来、テロ防止を徹底するために化学物質なども検知できるボディスキャナーの運用や試験が世界の主要空港で進んでいる。
(編集担当:福角忠夫)