今週の振り返り 前週末比で567円上昇したという感覚は薄い

2013年04月27日 15:47

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 1ドル100円に乗らない焦燥感を引きずりながら、日米の決算発表と業績観測報道に一喜一憂を繰り返す業績相場。

 23日のNYダウは152ドル高。ECBの利下げ観測が浮上しヨーロッパ市場が大幅高で、3月の新築住宅販売が市場予測を上回り、コーチ、トラベラーズ、デュポンなど大手企業の決算発表も好調なものが多かったことで大幅高になった。午後にAP通信のアドレスが乗っ取られてツイッターに「ホワイトハウスで爆弾テロ。オバマ大統領負傷」と流れて140ドル以上急落する場面があったが、すぐにニセ情報と確認されて元に戻った。押し目待ちの自動売買にはこんな押し目もある。大引け後に発表されたアップルの1~3月決算は最終利益18%減で10年ぶりにマイナスだったが売上高も含め市場予測は上回り、iPhoneの四半期販売台数は過去最高。株主還元策として15%の増配と500億ドルの自社株買い枠設定を発表したので、時間外取引では株価は上昇していた。

 24日朝方の為替レートはドル円が99円台前半、ユーロ円が129円台前半で前日よりやや円安。日経平均は157.63円高の13687.28円で始まり、すぐに13700円台に乗せた。後場は13700円台後半に乗せ、さらに午後2時半すぎには13800円を突破する勢いで終値は313.81円高の13843.46円で高値引け。13800円台は2008年6月以来4年10ヵ月ぶり。TOPIXも+20.57の1164.35で高値引けになった。売買高は45億株、売買代金は3兆574億円で4日ぶりに3兆円の大台を回復。ドル円はこの日も100円にタッチしなかった。

 値上がり銘柄数1390に対して値下がり銘柄数258の全面高で、値下がりセクターは電気・ガスと建設の2業種だけ。値上がりセクター上位は鉄鋼、海運、化学、石油・石炭、パルプ・紙、情報・通信の順で、下位は証券、小売、倉庫、銀行などだった。
 
 24日のNYダウは43ドル安と反落。3月の耐久財受注が市場予測を下回り景気減速懸念が再燃。ボーイングやコーニングの決算はよかったがAT&TやP&Gの決算が不調で軟調に推移した。25日朝方の為替レートはドル円は99円台半ば、ユーロ円は129円台半ばで、前日からあまり動いていない。日経平均は44.07円高の13887円で始まり、前場は一時13900円、一時マイナス圏にタッチしながらおおむね13800円台後半で推移した。後場は先物主導で一段高になりおおむね13900円台で推移。午後2時台には一時13974円まで上昇し終値は82.62円高の13926.08円だった。TOPIXは+8.43の1172.78。売買高は43億株、売買代金は3兆566億円。ドル円はこの日も100円にタッチせず半月以上も寸前で足踏みで、相当「往生際の悪い奴」だ。

 値上がり銘柄1056に対し値下がり銘柄は541。東証33業種で値上がりセクターはパルプ・紙、倉庫、銀行、石油・石炭、繊維、ガラス・土石など。値下がりセクターは海運、その他製品、その他金融、鉱業、鉄鋼、電気・ガスなどだった。
 
 25日のNYダウは24ドル高。原油価格など商品市況が順調に復調し、毎週木曜日に発表される新規失業保険申請件数が市場予測を下回ったため、主要企業の決算内容がまちまちでも一時91ドル高まで上昇したが、ドイツ連銀がECBの債券購入プログラムを批判したという報道で引け際に上げ幅圧縮。26日朝方の為替レートはドル円は99円台前半、ユーロ円は129円台前半とやや円高方向。取引開始前に発表された3月の消費者物価指数(生鮮食料品を除くコアCPI)は前年比-0.5%で5ヵ月連続前年割れ。2012年度では-0.2%で依然デフレ状態。4月上旬の貿易収支は6108億円の赤字で、赤字は10ヵ月連続になった。

 14000円台に乗せられるか注目の日経平均は52.90円高の13978.98円で始まり、直後に大台まであと16円少々に迫り年初来高値を更新したがその後は遠ざかり、前日終値近辺で一進一退。前引け間際には66円安まで急落した。後場は、日経平均はプラスの時間帯が続いたがTOPIXは終始マイナスで「NTねじれ現象」が続き、日銀からの「現状維持を全員一致で決めた」という発表後の午後1時半すぎに再び急落して73円安まで下げ、結局、41.95円安の13884.13円で今週の取引を終えた。値上がり銘柄数291に対して値下がり銘柄数は1373と東証1部全体の8割もあり、TOPIXは-11.59の1161.19で大幅下落。日経平均も1600円高のファーストリテイリング<9983>による64円という異常なまでの押し上げがなければ3ケタの大幅安でもおかしくなかった。それを考えれば、「利益確定売りの金曜日」は月曜日が祝日になる3連休の前は下げがよりきつくなるというアノマリー通りの結果になった。売買高は39億株で40億株割れ、売買代金は2兆9471億円で3兆円割れになり、これも連休前の手控えムードということか。

 業種別騰落率で上昇したのはパルプ・紙、空運、その他金融の3業種のみ。鉄鋼、食料品、精密機器は下落率が小さかった。反対に下落率が大きかった業種はその他製品、倉庫、水産・農林、不動産、ゴム製品、電気・ガスなどだった。