NYダウは24ドル高。原油価格など商品市況が順調に復調し、毎週木曜日に発表される新規失業保険申請件数が市場予測を下回ったため、主要企業の決算内容がまちまちでも一時91ドル高まで上昇したが、ドイツ連銀がECBの債券購入プログラムを批判したという報道で引け際に上げ幅圧縮。26日朝方の為替レートはドル円は99円台前半、ユーロ円は129円台前半とやや円高方向。取引開始前に発表された3月の消費者物価指数(生鮮食料品を除くコアCPI)は前年比-0.5%で5ヵ月連続前年割れ。2012年度では-0.2%で依然デフレ状態。4月上旬の貿易収支は6108億円の赤字で、赤字は10ヵ月連続になった。
14000円台に乗せられるか注目の日経平均は52.90円高の13978.98円で始まり、直後に大台まであと16円少々に迫り年初来高値を更新したがその後は遠ざかり、前日終値近辺で一進一退。前引け間際には66円安まで急落した。後場は、日経平均はプラスの時間帯が続いたがTOPIXは終始マイナスで「NTねじれ現象」が続き、日銀からの「現状維持を全員一致で決めた」という発表後の午後1時半すぎに再び急落して73円安まで下げ、結局、41.95円安の13884.13円で今週の取引を終えた。値上がり銘柄数291に対して値下がり銘柄数は1373と東証1部全体の8割もあり、TOPIXは-11.59の1161.19で大幅下落。日経平均も1600円高のファーストリテイリング<9983>による64円という異常なまでの押し上げがなければ3ケタの大幅安でもおかしくなかった。それを考えれば、「利益確定売りの金曜日」は月曜日が祝日になる3連休の前は下げがよりきつくなるというアノマリー通りの結果になった。売買高は39億株で40億株割れ、売買代金は2兆9471億円で3兆円割れになり、これも連休前の手控えムードということか。
業種別騰落率で上昇したのはパルプ・紙、空運、その他金融の3業種のみ。鉄鋼、食料品、精密機器は下落率が小さかった。反対に下落率が大きかった業種はその他製品、倉庫、水産・農林、不動産、ゴム製品、電気・ガスなどだった。
日経平均寄与度はファーストリテイリングの+64円の次は、今期最終利益が44%増の960億円という業績見通しを発表し130円高で年初来高値を更新した京セラ<6971>の+5円で、以下、100円高のファナック<6954>の+4円、96円高で年初来高値更新の日揮<1963>の+3円、前期の営業利益が16%増の5323億円という決算を発表し95円高で年初来高値更新のJT<2914>の+3円と続く。ファーストリテイリングは売買代金5位と買いが集中しており、全面安の中で日経平均を何が何でも14000円台に乗せようと工作する勢力がいたようだが、その野望は惜しくも果たされなかった。逆に、何が何でも為替のドル円レートの100円タッチを阻止しようと工作する勢力は驚異的な粘りを発揮中で、逆に98円台に押し返した。