1967年発売の「トヨタ2000GT」を共同開発して以来、高性能エンジンおよび周辺装置の開発・生産など、幅広い分野において協力関係にあるトヨタ自動車<7203>とヤマハ発動機<7272>。2011年には、両社のクルマとバイクが充電インフラを共有し、トヨタのエネルギー管理システムである「トヨタスマートセンター」に、ヤマハ発動機の電動バイクなどを接続できるようにするなど、次世代モビリティ社会の構築で協業。また、ITサービス分野における開発コストの低減も視野に、つながる機能を搭載した車両やサービスの製品化を目指すと発表している。さらに同年には東京ビッグサイトで開催された「スマートモビリティシティ2011」(第42回東京モーターショー2011主催者テーマ事業)のトヨタブースにおいては、「つながる」電動スクーターと電動アシスト自転車(各1台)のコンセプトモデルを出展するなど、同分野における協力関係を強めている。
その取り組みの一環としてヤマハ発動機が、バイクライフ全般に役立つ情報を提供するスマートフォン向け無料アプリ「つながるバイクアプリ」サービスを開始している。
サービス内容の中心となるのは、シンプルな画面表示と音声による案内で、オートバイのカテゴリに合わせたルート検索が可能な「バイクNAVI」である。地図をアプリ内に持ち、モバイル通信が不安定な場所でもナビゲーションが可能で、さらに、ナビゲーション中の案内ルート上に降雨・降雪予報がある場合には音声で通知する機能も有している。また、オペレータに電話をつないで目的地を検索し、細かな操作無しでナビの目的地を設定することができる「NAVIオペレータ」なども搭載。NMCA日本二輪車協会から提供される全国のバイク駐車場情報を検索し、検索した二輪車駐車場を「バイクNAVI」の目的地に設定が可能、出掛ける際の目的地としていちおしのスポット紹介もあるという。加えて、給油時点でのオドメーター値、給油量や金額を記録、給油記録から燃費推移を表示したり、「愛車基本情報」「メンテナンス記録」などの愛車情報の記録・管理が可能となっている。
2011年の震災以降、若干の回復傾向が見られるとはいえ、依然として低迷が続く日本の自動二輪車市場。この市場をなんとか維持拡大しようとする動きは二輪車メーカー各社に見られ、試行錯誤が繰り返されている。ゴールデンウィークも間近となり、またツーリングに最適なこれからの季節、乗りやすさを向上するこの「つながるバイクアプリ」の存在により、自動二輪車市場の活性化につながることを期待したい。(編集担当:井畑学)