安全情報の共有を躊躇なくできる社風に SKY

2010年04月15日 11:00

 安全管理体制などのあり方で国土交通省から業務の改善命令を受けていたスカイマークSKY)は、安全管理体制や運航体制、整備体制について業務改善計画を取りまとめ、同省航空局に報告するとともに、運航本部等、各本部において、法令等の遵守に係る安全教育の実施など改善の具体化に向けた取り組みをスタートさせた。

 管制指示と異なる高度で茨城の阿見ポイントを通過した当該航空機の機長2人に対しては機長資格を取り消し、再訓練のうえ、副操縦士として乗務状況をモニターしていく措置をとると報告している。

 スカイマークは現在12機を運航。運航料金の安さで特に支持を得て、「年間300万人」(同社)が利用している。

 一方で、安全管理について、運航乗務員が経営陣に躊躇なく発言することが難しい風潮があるなどの指摘もあり、安全管理体制については「安全に関する情報共有が躊躇なくできる社内風土を醸成する」ことが最も求められていた。同社はこれに取り組むとともに、「社内で安全管理システム(SMS)が適切に機能していることを確認、改善できる体制を構築する」。

 また、5月から安全統括管理者が中心となり、社員との直接対話や報告者への表彰制度の創設など、安全プロモーション活動を展開する。7月末までに社内でSMSが適切に機能していることを現場管理職などが定期的に確認し、必要に応じ、情報を経営側に報告する体制を構築するとしている。

 このほか、運航体制への取り組みとして、日常的な運航モニターを強化するなどして運航乗務員の技量管理を的確に行えるようにする。客室乗務員についてもイレギュラー報告の分析を強化し、問題の改善を図るという。

 整備については、整備管理部門の業務の明確化と能力の向上を図り、現場の技術判断を本社管理部門も点検する。また、整備の記録方法を見直し、確認主任者等が整備実施状況を適切に把握できるように改善するとしている。

 このほか、「運航乗務員が操縦室で写真撮影を行い、見張り義務を怠った」問題の再発防止として「全運航乗務員に当該事例を周知し注意喚起したが、運航乗務員の1名が操縦室を離れる場合に運航乗務員や客室乗務員が必要な措置等を確認する確認ノートを導入し、確認、署名する」措置をとる、としているほか、「客室乗務員による客室内保安検査が適切に実施されていなかった」問題では「4月末までに、客室内保安検査の詳細な実施方法と時期等を規定化し、全客室乗務員に周知徹底する」ことで再発を防ぐという。
(編集担当:福角忠夫)