低消費電力でヘルスケア機器を無線でつなぐ、LSI新開発

2012年10月29日 11:00

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ロームグループのラピスセミコンダクタは、スポーツ&フィットネス機器、ヘルスケア機器向けの新しい通信規格「Bluetooth v4.0 Low Energy」に対応した無線通信LSI「ML7105」を開発した。

 ロームグループのラピスセミコンダクタが、スポーツ&フィットネス機器、ヘルスケア機器向けの新しい通信規格「Bluetooth v4.0 Low Energy」に対応した無線通信LSI「ML7105」を開発、サンプル出荷を開始したと発表。送信時9.8mA、受信時8.9mAという業界トップクラスの低消費電流の実現を最大の特長としており、コイン電池など小型・小容量の電池でも長期間の使用が可能になるとのこと。

 新バージョンのリリースにより、応用分野が拡がりつつあるBluetooth無線方式。これまでBluetoothを搭載してきたキーボードやマウスなどの既存のPC周辺製品でも、Low Energyへの切り替えが見込まれる。また、歩数計・活動量計・血圧計など日々の健康管理に使うヘルスケア製品や、心拍計などの各種センサを応用したフィットネス製品など新しい市場への開拓も期待されている。

 今回、ラピスセミコンダクタが開発・サンプル出荷を開始した「ML7105」は、Bluetooth無線通信に必要なプロトコルスタックを内蔵しており、最小限の構成で既存の最終製品を無線化することが可能に。また、得意とする低消費電力RF回路技術を進化させ、10mA以下での無線通信動作を実現することに成功した。これにより、容量の小さいコイン電池で動作するような機器(電卓、電子玩具、リモコンなど)にも無線通信を搭載できるようになったという。

 今年のシーテックでも特別企画として取り上げられるなど、注目を集めているデジタルヘルスケア。日本の高い技術が活かせ、大きな市場となる可能性を含んでいるだけに、それらの機器を支える本製品のような開発は今後さらに活発化するであろう。そんな中でも、小型化・低消費電力に強みを持つロームグループは、目の離せない企業の一つと言えるのかもしれない。