昨年の秋頃から話題となっている新ジャンルのビデオカメラ「アクションカム」。一般的なビデオカメラよりも小型軽量で操作もシンプル。広角撮影に対応している上に、アクセサリーを装着すれば、自転車やバイクのヘルメットなどに取り付けたり、水中撮影も可能。スポーツやアクティビティなど動きのある映像を手軽に撮影できることで人気が急速に高まっている。
アクションカムの草分け的な存在は、米GoPro社の「HEROシリーズ」だが、昨年7月にJVCケンウッドが「ADIXXION GC-XA1」を、そして同10月にはソニー<6758>が「HDR-AS15」を相次いで市場に投入したことで、混戦の様相を呈している。各社ともにアクセサリー類の充実やファームウェアを次々とアップデートして、競合製品との差別化を図り、シェアを獲得したいところだ。
そんな中、ソニーは4月25日に「HDR-AS15」のファームウェアを大幅にアップデートを実施した。「HDR-AS15」は、MPEG-4 AVC/H.264の動画撮影に対応。初期状態での記録モードは1920×1080/30pの「HQ」、1280×720/30pの「STD」、640×480/30pの「VGA」の3つが用意されている。今回のファームアップでは、新たに、1920×1080/60pの高画質撮影モードが追加された。
また、撮影シーンの設定機能も追加された。ノーマルモードに加え、水中撮影に適した画質モードが選べるようになった。もともと、GoPro社の「HEROシリーズ」よりも暗所や水中などの光の少ない場所での撮影には高い評価を得ていた「HDR-AS15」だけに、一般ユーザーの間で人気の高い海水浴やダイビングなどのシーンでの撮影では、さらに力を発揮して喜ばれそうだ。
その他、細かいところでは、使い勝手の面でも改善が図られ、操作音の設定が可能になった。全ての操作音を鳴らす「ON」モードのほか、全ての操作音を鳴らさない「OFF」モード、そして起動音やエラー音などの一部だけ鳴らす「SILNT」の3つのモードから選択できるようになった。
些細なことではあるが、ユーザーの声に即座に反応したこのような改善には好感が持てる。これまでの「買いっきり」のデジカメやビデオカメラなどと違い、WEBを介してアップデートを行ってグレードをアップしてもらえることは、ユーザーにとっては非常に有り難い。高性能なスペックも大事だが、こういった気配りがユーザーの心を捉えて、他社との差別化を図り、シェアを獲得する大きな力となるだろう。(編集担当:藤原伊織)