活況を呈するタブレット市場に、わずかながら動きが見られる。
米調査会社IDCは、現地時間5月1日に2013年第1四半期(1~3月)の世界のタブレット市場調査を発表した。それによると、タブレット総出荷台数は前年同期比142.4%増の4920万台。早くも12年上半期の出荷台数合計を超えた数字となった。
メーカーの出荷ランキングは、1位が米Apple、2位が韓国Samsung Electronicsとトップ2強の順位は前期と変わらなかったものの、3位だった米Amazonが4位に順位を落とし、前回4位だった台湾ASUSTeK Computerが3位に浮上している。そして、5位には前回までランク外の地位に甘んじていた米Microsoftが始めてランクインしている。
順位だけをみると前回と大差がないようにも思えるが、不動の地位を誇るAppleのシェアが初めて40%を割ったことが興味深い。とはいえ、Appleの出荷台数は前年同期比65.3%増と順調。しかし、それ以上に2位以下の3社がいずれも2倍以上の成長率でシェアを伸ばしているのだ。これは7インチサイズの小型ディスプレイ端末への需要が高まったためとみられる。
また、同調査によると5位に浮上してきたMicrosoftの出荷台数は、およそ90万台。その多くがWindows8 Pro搭載のSurface Proによるものだという。また、Surfaceを含むWindows8及びWindows RT搭載タブレットの出荷台数は合計で180万台となっている。
まだまだ、AppleやSamsungには遠く及ばない感のあるMicrosoftだが、4月18日に業績発表後の電話会見を行った同社の最高財務責任者ピーター・クラインCFOが、現行の10インチよりも小さいWindows搭載タブレットを数カ月中に発売することを公表しており、これらの端末は競争力のある価格になると語っていることからも、本格的にシェア獲得に乗り出してくるとみられる。
また、同社は3月に、Windows8のハードウェア要件を緩和し、最低画面解像度をこれまでの1366×768ピクセルから1024×768ピクセルに変更して、10インチ以下のディスプレイによるタブレットの製造も可能にしている。
IDCでも、Microsoftが低価格帯の小型タブレットを提供すれば、今後さらに市場シェアを伸ばすと予測している。(編集担当:藤原伊織)