タブレットはテーブルサイズの時代へ突入

2013年04月30日 09:21

 中国のパソコン大手、Lenovoグループは、今年1月に今夏の発売を発表していた超大型テーブルPC「IdeaCentre Horizon Table PC」の先行予約を開始した。価格は約1700ドル、1月に発表した予定通り、6月後半には出荷できる見通しを示している。

 ホライゾンは27インチの大型パネルを備えたオールインワン・デスクトップ。OSにはWindows8を使用し、プロセッサはIntel Corei3~i7、グラフィックスはNVIDIA GeForceGT 620mを搭載。また、ストレージは最大1Tバイトと、現在市場に出回っている一般的なPCに勝るとも劣らないスペックを誇る。壁などに立てかけるか、テーブル状に水平にして使用するスタイルで、パソコンとしての作業はもちろん、マルチユーザーで利用したり、背面のスタンドで立たせて大画面で動画を楽しんだりすることも可能だ。

 デザイン的には、昨年末にソニーが発売した「VAIO Tap 20」と酷似しているが、VAIOの方はあくまでも大型のタブレットであるのに対し、ホライゾンはLenovoが新しいカテゴリとして位置付けている通り、タブレットというよりも、もはやテーブルの天板に液晶PCが張り付いたイメージ。それだけ迫力があるということでもあるが、使い方は選びそうだ。

 ホライゾンにはデフォルトで、お絵描きアプリやモノポリーなどのマルチユーザーゲームがプリインストールされているほか、独自のアプリストアとして展開する「Lenovo App Shop」においても、マルチユーザー向けのアプリを提供していくという。

 ちなみに、今年一月にラスベガスで開催された恒例の家電製品のトレードショー「2013 International CES」の席上では、ホライゾンよりもさらに大画面の39インチのテーブルPCが披露されていることからも、同社では今後も継続してこの「テーブルPC」路線を展開していくとみられている。家庭でワイワイとボードゲームを楽しんだり、職場の会議に利用したり、確かに今までのPCとは違ったスタイルで、全く新しい用途にも活用できるだろう。

 しかし、ボードゲームをするために高価なPCが必要かといわれれば首を傾げてしまう。PCやタブレット本来の用途としての使い勝手としては、従来のものの方が優れているように思われる。ある程度軽量化は図られているだろうが、27インチもの液晶画面を、そうそう持ち歩けるものではないし、ましてや巨大化すればするほど、そのデメリットは大きくなってしまう。そもそも、スマホやタブレット、PCもデスクトップよりもノートブックがもてはやされる、このモバイル全盛の時代のニーズに逆行しているのではないだろうか。非常に興味深いコンセプトとインパクトのある製品ではあるものの、今後、このテーブルPCが定着するかどうかは、まだまだ未知数といえる。(編集担当:樋口隆)