アメリカの映画制作会社ドリームワークス・アニメーションは、現地時間の5月1日、動画共有サイト・YouTubeの人気チャンネル・オウサムネスTV(AwesomenessTV)を買収することで合意に至ったことを発表した。取引金額は約3300万ドル。日本円にして約32億円といわれており、買収は今月中にも完了する予定だ。
オウサムネスTVは、昨年6月に開設されたばかりのYouTube内のチャンネル。映画やテレビ番組のプロデューサーでもあり、自身も元俳優のブライアン・ロビンス氏らを中心に運営され、MKキャピタルが出資している。10代から20代を対象とした独自のバラエティー番組やドラマ、面白動画などを制作して配信しているチャンネルで、驚くべきことに動画の数は、なんと約57000本にものぼる。チャンネル登録ユーザーの数は49万人以上を誇り、総動画再生回数は1億回以上という大人気チャンネルだ。
ドリームワークス社では独自のケーブルネットワークの構築計画を進行していたこともあり、以前から、オウサムネスTVの買収を検討していた。
オウサムネスTVでは、現在はアニメーション作品の配信を行っていない。しかし、ドリームワークス社ではオウサムネスTVを買収することが、デジタル領域での同社の可能性を拡大すると見込んでいる。今後はアニメーション番組の配信も可能となるだけでなく、ドリームワークス社が製作した映画作品やテレビ番組のプロモーションに活用することも可能だ。
ドリームワークス社が、今回の買収に踏み切ったのは、これまで同社が独立系のアニメーション製作会社でありながらも、独自の配給網やテレビ放送局を持たないことがビジネスの大きなネックとなっていたことが挙げられる。Youtubeの人気チャンネルを確保することで、低コストで効果の高い自社流通を確立することができるのだ。
トランスフォーマーやシュレックなど、夢のあるフルCGの、唯一無二の映画作品を世に送り出し、日本でも人気の高いドリームワークス社だけに、今後の展開が注目される。(編集担当:藤原伊織)