政府は20日、「景気は持ち直してきているが、自律性に乏しく、失業率が高水準になるなど、依然として厳しい状況にある」との1月の月例経済報告を発表した。
先行きについて「海外経済の改善や緊急経済対策の効果などを背景に、景気の持ち直し傾向が続くことが期待される」とする一方で、「当面、厳しい雇用情勢が続くとみられる。また、雇用情勢の一層の悪化や海外景気の下振れ懸念、デフレの影響など、景気を下押しするリスクが存在することに留意する必要がある」と慎重な判断を示した。
一方で、内需に影響が大きい「住宅建設」の動向については、12月月例で「概ね横ばい」としていた表現を、1月月例では「このところ持ち直しの動きがみられる」との表現に変えた。
住宅建設とともに、内需に大きな影響を与える「個人消費」の動向については「経済対策の効果もあって、持ち直しの動きが続いている」としながらも「消費者マインドは、おおむね横ばい。実質雇用者所得は緩やかな減少傾向にある」と分析。旅行や外食が前年を下回るなど、雇用や所得環境に厳しさをあげ「その影響を注視する必要がある」としている。なお完全失業率は5.2%(昨年11月現在)と5%台で推移し、特に15歳から24歳の若年層での完全失業率が上昇するなど、雇用の深刻さを窺わせている。
(編集担当:福角やすえ)