内閣府の原子力に関する国民への特別世論調査で、原子力発電に対して、積極的あるいは慎重に「推進」とする原子力発電推進派は2005年12月の調査(エネルギーに関する世論調査)に比べ4.5ポイント増え、59.6%となる一方、現状維持派は1.4ポイント減少し18.8%、廃止派(将来的に廃止、早急に廃止)も0.8ポイント減少し16.2%にとどまっていることが分かった。地球温暖化防止の上でも原子力発電は効果があると認知されてきたことも推進派増加の要因になっているとみられる。
調査は10月15日から25日までの間に全国の20歳以上の男女3000人を対象に調査員が個別面談方式で聴取。1850人から有効回答があった。
それによると、原子力発電により高レベルの放射性廃棄物が発生することを知っている人は53.7%と2人に1人は知っていた。また、原子力発電では発電の過程で二酸化炭素を排出しないため、地球温暖化防止に貢献するということも50%が知っていた。
原子力発電についてどう思っているかでは、安心という回答が前回より17ポイント増加し、41.8%になった。一方で、不安という回答は前回より12ポイント減少し、53.9%になっていた。不安を抱く人は確実に減少してはいるものの、まだまだ不安を抱く人も多いことも浮き彫りになった。
原子力発電を不安に思う理由では、日本でも事故が起きる可能性があるから(75.2%)というものが最も多く、次いで、地震が多いから(53.1%)、国がどのような安全規制を実施しているのか分からないから(41.5%)などが多かった。また、自分の居住地に高レベル放射性廃棄物処分場の設置計画があったとしたら、との問いには79.6%が反対の意思表示をしていた。
(編集担当:福角やすえ)