良くならない景況下で、立場の弱い中小零細企業に、これから年末にかけて、しわ寄せがいかないよう公正取引委員会と経済産業省は、毎年、この時期に親事業者や関係事業者団体に要請している「下請法の遵守の徹底」要請先を例年より1万人増やし、約3万人に対して行うと19日、発表した。
公正取引委員会では「年末にかけての金融繁忙期においては下請事業者の資金繰り等について厳しさが増すことが懸念される」としており、「買いたたき、下請代金の減額、下請代金の支払遅延、割引困難な手形(長期手形)の交付等の行為が行われることのないようにしたい」としている。
また、下請事業者のほか、大規模小売業者への納入業者や荷主と取引している物流事業者など、中小事業者からの要望に応じて、公引職員が出向き、独占禁止法上の優越的地位の濫用規制や下請法についての基本的な内容を平易に説明するとともに、相談受付等を行うための相談会の開催、中小事業者専用の相談窓口の開設など、年末に向けて、取引の公正化を図るための対策をとる。
(編集担当:福角忠夫)