急がれる政府としてのアフガニスタン支援策

2009年11月06日 11:00

 オバマ米大統領の来日を控え、政府としてのアフガニスタン支援策の決定が急がれている。

 平野博文官房長官は5日、「総理の判断を仰ぐ時期に来ている」と政府としての方針を明確に打ち出す時期にあるとの判断を示した。

 アフガニスタン支援に対して、鳩山由紀夫首相は国会答弁で終始一貫「日本が得意とする支援のあり方は何か、アフガニスタンの人たちに本当に必要とされている支援は何か」を基軸に、「積極的に支援を行いたい」としてきた。

 具体例では「農業支援、あるいは元兵士に対する職業訓練、警察官に対する支援などを考えている」(首相)と民生支援を強調した。

 関連して、アフガニスタンへの自衛隊派遣については10月30日の参議院本会議での自民党・島尻安伊子参議院議員の質問に答え「アフガニスタン本土に自衛隊を派遣する考えは念頭にありません」と明言。4日の衆議院予算委員会でも自民党・石破茂衆議院議員(自民党政務調査会長)への答弁で「現在のところ、考えていない」とした。「小人数であっても、自衛隊員をアフガニスタンに派遣するということは望ましくない」としている。

 援助要員の安全確保について「十分な安全対策を取る」(島尻参議院議員への答弁)としながら、「アフガニスタンの地域が全て危険な地域だと必ずしも思っていない」(同)との認識を示し、「身の安全が守られる地域に限定する」(石破衆議院議員)とした。

 鳩山首相は「武力によってテロを無くすという発想ではテロは無くならない。宗教的なこともあるが、テロの根源は貧困であり、貧困を無くすために(農業支援や元兵士への職業訓練など)、日本ができる支援を積極的に行うべき」との考えを示している。
(編集担当:福角忠夫)