フィアット日本法人と奈良県が文化、経済で協定

2009年11月05日 11:00

 イタリアの自動車メーカー、フィアットグループ オートモービルズ ジャパンと奈良県が文化や経済での交流をすすめる協定を結ぶ。調印式は東京都内のイタリア大使館(大使官邸)で11月11日に行われる。ヴィンチェンツォ・ペトローネ駐日イタリア大使や荒井正吾奈良県知事らが出席する。

 これは、全国のセーム革(しか皮)の9割以上を生産している奈良県が市場開拓のため、世界的に有名なブランド先との取引を模索する中、フィアットと取引のあるデザイナーを通してルートができ、奈良県においては平城遷都1300年祭のイベントを控え、共同でのグッズ製作やPR戦略が実現したもの。

 計画では、車を展示紹介している同社の東京・青山のフィアットカフェで平城遷都1300年祭のPRを行うほか、奈良県特産のそうめん、トマト、マナ、ポーク、柿の葉寿司などを使ったオリジナルメニューを通して、奈良をアピール。さらに、平城遷都1300年祭開催中の来秋にはフィアットが奈良県内にフィアットカフェinならを期間限定で開設し、ファイット500(チンクエチェント)を展示するほか、両者のコラボで製作されたグッズ製品の販売を行い、平城遷都1300年祭に来場した人たちや地元奈良県民との交流を深める。

 直近のコラボでは、フィアットカフェのスタッフユニフォームをセーム革を使ったオリジナルなものにする。「現在、縫製段階まで進んでいる」(奈良県)。

 また、コラボグッズでは同社の人気車フィアット500のマーク入りキーホルダーや眼鏡ケースなどが完成し、11月11日の調印式で紹介される。

 フィアット社では「奈良で培われた技術と、イタリアの豊かなスタイリングセンスが生み出すイタリアデザインの融合は新たな可能性をもたらす」と期待している。また、奈良県も「奈良特産品や平城遷都1300年祭の情報発信ができることに期待している」。
(編集担当:福角忠夫)