普天間移転 嘉手納基地統合案 結論急ぐと外相

2009年10月30日 11:00

 岡田克也外相は29日午前の参議院本会議代表質問で、林芳正・自民党参議院政審会長の質問に答え「米海兵隊普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県外移転は難しい。米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)との統合(案)は個人の発言か、内閣で合意を得たものかとの問いでありますが、これは、外務大臣としての判断であります」と「政府の合意でなく、外相としての発言である」と語った。

 岡田外相は、こうした考えに至った理由として「(現行の基地移転プランが)自民党を中心とする政権の下で、13年間かかったもの(プラン)であり、これ以上の時間をかけることはできるだけ、避けたい」との思いが強いこと。

 さらに「これ以上時間をかけるということは、普天間基地周辺の住民の危険がこれからも続くということ(を意味する)」「なるべく時間をかけず、基地移転について、現行案よりも、なるべく沖縄に負担を軽くする方法はないものかということを今、真剣に検討している。その中で、既存の滑走路を活用することのできる嘉手納基地統合案がひとつの案として浮上し、わたしのところで検証作業を行っているところです」と説明した。

 岡田外相は「嘉手納基地統合案の検証結果を踏まえて、できるだけ早く結論を出したい」と答弁した。しかし、この案に対して嘉手納基地の地元、嘉手納町が臨時議会を開き、統合案に反対するとともに、案の撤回を求める意見書を可決している。
(編集担当:福角忠夫)