利用者サービスの向上や運営の効率を期待して、公の施設へ指定管理者制度を導入する自治体が増えているが、総務省が、都道府県や政令指定都市、市区町村で、今年4月1日現在での導入状況をまとめたところ、導入施設が7万施設を超えていることが分かった。一方で、指定取り消しケースの4割近くが指定管理者の経営困難などによるものであることも分かった。
指定管理者制度導入施設の内訳をみると、都道府県では6882施設。指定都市6327施設、市区町村5万6813施設となり、前回調査(2006年9月2日)に比べ、8457施設増え、7万22施設にのぼっている。
このうち、29.3%(2万489施設)は株式会社など民間企業などが指定管理者として管理・運営を行っていた。
指定管理者の選定では都道府県の57.9%が公募。指定都市も55.8%が公募と過半数を超えていたが、市区町村では36%と3件に1件にとどまっていた。
次に、指定管理者の指定を取り消したケースをみると、全体では672施設あり、自治体別では都道府県で10施設、指定都市で40施設、市区町村で622施設あった。
指定取り消しの理由で最も多かったのは、指定管理者が経営困難などになってしまったためとするものが、253施設と全体の37.6%にのぼった。次いで多かったのは施設を民間に譲渡するなどをしたためで、83施設。このほか、費用対効果やサービス水準を検証した結果、指定を取り消したというケースが80施設あり、これら3つの理由で全体の61.9%を占めた。
(編集担当:福角忠夫)