公共交通、貸切以外の移動 教職員が運転 7割

2009年10月26日 11:00

 奈良県の全日制公立高校運動部の2割は部活動の移動手段に「公共交通機関」や「貸切バス」の利用以外に、教職員やPTAが所有するバス、乗用車、保護者の乗用車、レンタカーなどを活用して移動していることが奈良県教育委員会の調査で分かった。

 また、公共交通機関や貸切バスの利用以外の移動では、教職員が運転するケースが7割を超えていた。

 奈良県教育委員会保健体育課では「公共交通機関や貸切バスでの移動を徹底するよう、指導を強めている」。

 この調査は、今年7月に大分県で夏の全国高校野球県大会の開会式に向う途中、野球部員を乗せた私立高校の教職員運転のバスが横転事故を起こし、乗車していた野球部員の1人が死亡した事件を受けて、奈良県教育委員会が同県の県立高校(全日制)の運動部の移動手段の実態を把握するために、8月に行った。

 その結果、県立高校32校の運動部375部から回答があり、298部(79.5%)は練習試合など、移動手段には「公共交通機関や貸切バス」のみで対応している、としていたが、77部(20.5%)は、公共交通機関や貸切バスの利用と併用して、教職員やPTAの所有するバスなど公共交通機関や貸切バス以外での移動を行っていると回答した。

 公共交通機関や貸切バス以外での移動の内容では練習試合が57部、遠征や合宿が59部、大会への参加が39部で、その際、教職員が運転したケースは練習試合の73.8%、遠征や合宿の78.8%、大会参加の76%にのぼった。県教委では、安全を期すため、公共交通機関の利用を一層指導するとしている。
(編集担当:福角忠夫)